- 船箪笥(ふなだんす) -
江戸から明治にかけて国内貿易で盛んに活躍した
千石船の船内で使用された金庫が船箪笥です。
船箪笥は港町で作られたのでしょうか、
船鍛冶の技を競うように重厚で繊細な鉄板を
切り抜いたものを扉に貼っています。
千石船の海上輸送も段々安全性が増すにつれて
船箪笥の堅牢性も要求されなくなりました。
- 懸硯(かけすずり) -
元来は懸子(掛子とも。他の箱の縁に引っ掛けて、その中に収まるようにした内箱)
を備えた硯箱をいう。
ふつう小形の船箪笥や帳箱と同じ役割をし、
筆記用具などの各々が抽出や内箱に収納される。
(その周囲を飾る金具で主に使われていた江戸期のおよその前後が判別できるという。
豪快な装飾は前期頃、単純な金具になれば幕末か、明治に入るとも。)
〜
『木の古民芸』 (森田直著・光芸出版刊)から引用〜
こちらはヤフオクに出品していた懸硯です。(売約済み)
現代物ですが、
金属部分がかなり丈夫そうに作られています。
鍵もきちんとついています。
無垢材の欅造りで品質もとても良いです。
船箪笥と見た目が似ていますが、用途は硯箱です。
- 船ランプ(ふならんぷ) -
石油ランプの伝来は幕末。
明治初年国産の?作(?)ができ、
じわじわと燭火を隅に追いやった。
日常用の石油消費量が少なく操作簡便な
(綿布の芯をネジで上下させるだけの)
平芯ランプのほか、各々の場所に合ったランプ類も考案された。
〜「こっとう図鑑」 光芸出版編より引用〜
こちらは当店にある船ランプです。
・製造 昭和39年4月
・メーカー 日本船燈株式会社(ニッセン)
と書かれています。